債権調査の結果、破産または民事再生(個人債務者再生)に移行する場合でも、一部の債権者に過払金が発生していることがある。
単純な事例によって考えると、債権者数10名、債権調査の結果、債権者9名の負債総額250万円、他の1名の債権者には約80万円の過払金が発生しているような場合である。
一つの考え方として、過払金を全額回収した後、破産・民事再生に移行するということも考えられる。
この場合回収した金員は、債務整理手続費用を控除した金額が、破産、民事再生の清算価値としてカウントされる。
しかしこの方法によると過払金回収まで長期間要することもあり、その間、他の債権者は債権の実務処理ができず処理が遅延するわけであるから迷惑この上ない話で、また代理人としても度重なる処理方針の問合せが電話等でなされ煩雑になる。
そこで他の考え方としては、破産あるいは民事再生の申立てと過払金返還を並行して行うことを考えるべきである。
この場合、まず過払いが予想される債権者を債権者一覧表に記載するかという問題がある。
確かに過払金返還が任意の和解で行われるにせよ、訴えの提起により実現されるにせよ回収ができることはほぽ確実で、そうであるならば債権者にカウントしないということも考えられるが、稀にではあるが、みなし弁済の主張が認定されることも皆無とはいえず、また取引早期に債務者の期限の利益が喪失しており、以後損害金として計算をするため債務が残る場合もあり得る。
したがって債権者一覧表には債権者として記載し、また財産目録にも過払金が回収できる可能性がある旨を記載しておくべきであろう。
この場合は破産中立書とともに上申書を提出しておくと関係が明白になる。
破産申立手続中に、過払金が回収できた場合にも、上申書を裁判所に提出して報告する。
そこで裁判所から一部配当の指示があった場合は、照会書を各債権者に送付して、債権額および振込先通知書に記載してもらい返送してもらう。

債務整理|利息に関する法規制

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債務整理の終了

任意整理の終了事由としては、委任契約を解除する場合と、整理が完了して報告・清算し終了する場合とがある。

(1)委任契約の解除
債権調査期間中は、常に依頼者との連絡を密にし打合せ等を行う必要があるが、依頼者との連絡がとれなくなったり、約束の支払いを怠ったりの理由により、残念ながら依頼者との委任契約を解除せざるを得ない場合にも遭遇する。
受任司法書士は債務者の代理人として債権者との交渉をしているのであり、本来弁済すべき債務の弁済を、債権者の協力を得て一時停止しているのであるから債権者との関係でも誠実に行動する必要がある。
依頼者との連絡がとれなくなった場合や、委任契約に定めた支払いを怠った場合など依頼者との信頼関係が保てなくなった場合には、そのまま代理人として留まることは不可能であり、速やかに辞任し、この旨を債権者に通知する必要がある。
事案によっては、多額の過払金の回収が予想される場合もあり、仮に依頼者からの入金が遅れたとしても、最終的に過払金から必要な費用の回収が見込める場合も存在するが、債務者との連絡が十分とれないままでは信頼関係を保ち職務を遂行することは不可能であるので、依頼者との話合いをもち、これが適わない場合には、辞任もやむを得ない。

(2)債務整理の完了
すべての債務整理が終了したならば、預かった書類等とともに、債務整理報告書を作成し、同時に報酬計算書を提示して説明し、預り金・過払金回収・和解金の支払い・印紙・振込手数料・報酬等の別を記載した債務整理清算書も作成し、返還する金員があれば領収書に日付・住所・氏名を自署してもらい押印して保管しておく。

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